以下、個人的な立場からの文章です。>「迷わず轢け」などと一般的に言われているとしたら、それがとっさの場合の習慣ともなりかねず、恐ろしいことだと思っていました。
これには、「なるべくならば轢きたくはない。誰しもそう思う」
という前提がついているのだと思います。
普通の心を持っている人ならば、動物を見れば急ブレーキぐらいは踏むでしょう。急ハンドルもきるでしょう。
しかし、次のような状況ではどうでしょうか?
(1)大型トラックが連なって90km/hで走る、夜の東名高速道路上だったら。
(2)片側一車線の道路で、対向車線にバイクが居たら。
(1)で急ブレーキを踏むとどれほど危険かは、あまり運転なさらない方には
理解されないかもしれないのですが、これは本当に命にかかわる状況です。
(2)では急ブレーキは可能ですが、急ハンドルではバイクと正面衝突する危険があります。
教官の教えは、動物を轢きたくはないという前提があって、しかし
「動物を避けるために別の(人命の)危険を招くようなときは、迷わず轢きなさい」
ということなのだと思います。
ここで言う「迷わず」というのは「喜んで」という意味では決してなく、
そのときの「一瞬の判断が生死を分けます」という意味だと思います。